アニメ「平家物語」を観終えた
このアニメが放送されると知ったとき、ぜったい素晴らしい作品に間違いないよ〜って思っていたけど
そんな私の想像もはるかに超え、心が震えた…
全11話ということでかなりの駆け足にならざるを得ないなか、ひとりひとりの人物たちがちゃんと「生きた」人間であることを描いていて、とてもとても良かった
実際に10話と最終話観たのは昨日なんだけど、なんか余韻でボーッとしている
羊文学が歌うOP曲「光るとき」を聴いて涙ぐんでしまう
この曲がまた、平家物語という物語に対して、そして平家の人々(と当時を生きた人々)に対して、そして現代を生きる私たちへのメッセージが込められていて最高なんだよな〜
「いつか笑ってまた会おうよ 永遠なんて無いとしたらこの最悪な時代もきっと続かないでしょう」のところで泣いてしまう
いや、全部の歌詞で泣いてしまいそうになるんだけども!
羊文学のサウンドがまた、抜けるような青空を思わせる透明感で、最高
鎮魂歌でありメッセージソングだ
みなそれぞれ、「悪」とか「善」とかそういう一面的な描写じゃないのがすごくよかった
好きなこともあれば苦手なこともあり、朗らかに笑うこともあれば強欲さもあり、おとなしい人が時に強い意志を見せたり、カッと頭に血が上るタイプの人が人を思いやることもある
実際の人間(私たち)がそうであるように
そうだ、この人たち実際に生きていた人たちなんだ、って実感する
清盛、お前が諸悪の根源だ〜!と言いたくなることも何度もあったけど、なんでかどうにも憎めないところもあったりして
後白河法皇も同じで、最終話で徳子と喋っているときとか、何〜?!お前がそれ言うんかい、って思ったりもするんだけど…やっぱり悪一色っていう感じではない
どの人物に関してもそういう感じで、いろんな出来事の前に人の心が揺らいだり、変化していったり、そういうことを丁寧に描いた作品だったと思う
誰の人生を思ってもつらい気持ちになるけれど、観終えたばかりの今は、徳子の人生に思いを馳せている
ラスト、五色の糸を手に握った姿が強烈に印象に残っている
今回、びわがこの物語を傍らで見つめる立場として据えられててることが、かなり良い距離感だったな
知盛が最期「見るべきものは全て見た」って言っていたけど、彼らの最期を見届けたと同時にびわは失明して、でもびわは生きて、彼らのことを語り継いでいく
びわが語り継いでいるから、今の世の中に平家の人々のことが「平家物語」として伝わっている…というような(史実ではないけど)メタっぽさも感じたり
「平家物語」という物語への、現代からのアプローチっていう感じでめちゃよい
どうしても平家の人たちに感情移入してしまうので、平家の若者たちや安徳天皇が不憫に思ってしまったりもするんだけど
なかば身内だと思っていた人物に裏切られ絶望する清経が「だとすれば、誠実さや…実直さや…恩義というものは意味をなさぬではありませぬか」と言うのに対して、資盛の「…我ら平家にそれがあったか?」という言葉にハッとする
小さい頃に、殿下乗合事件で痛い目に遭って、因果応報というのを身を以て実感したからなのかな
資盛は本当に現実的で客観的だ〜…哀しいほどに
重衡が南都を焼いてしまった件とか、平家物語の中では「灯りのつもりで火を放ったら都に延焼してしまった…」となっていたけど、実際は計画的放火だった可能性も高いらしく
そういう、物語と史実との違いとか、実際はどうだったのかなとか、アニメでは駆け足になっている部分とかにも興味が湧いてきた
古典文学は興味があっても敷居が高かったりしてあまり触れてきていなかったので、興味を持てるきっかけができて嬉しいな
とはいえこのアニメの原作である、古川日出男版「平家物語」は908ページもあると知り、かなり尻込みしてる
きゅ、きゅうひゃく…
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TAMAコミ当日朝まで絵を描き続けていたんだけど、なんだかんだでそっから2週間くらい、身体を休めたりインプットに充てたりしてる
かなり体力も回復してきたし、気力もみなぎってきていい感じ
でも、2週間経っただけで「え…ついこないだまで漫画描いてたの?私が?ウソ…」って気がしてくるから怖い怖い
ということでそろそろ手を動かし始めた
実際手を動かし始めると、絵を描くとか…なんでこんな楽しいこと、毎日やらないんだろ?!っていう気がしてくるんだよな
なんでだろうね、不思議だね…
BOOTHで買ってくださった方、BOOSTくれたりした方、本当にありがとうございます!!
めちゃくちゃありがたいです
4月いっぱい販売しているので、どうぞよろしくお願いします
日下部くんシリーズの方を描きつつ、8ページくらいの短編もたくさん描きたいな
短いお話ってどうやったら思いつくんだ…