最近読んだ漫画の感想
本当はTwitterに書いた方がクチコミが広がったりするかも〜とは思うんだけど
生来の長文野郎なので、Twitterでウザくない程度の文字数(と連投回数)に収まるように…ウザくない熱量で…作者さんに見られたら恥ずかしい…とかいろいろ考えてたら、書くのにめちゃくちゃ時間がかかるようになってしまった
そして、私は140文字にまとめようとすると、どうしても言葉をキャッチーで強くしがち
そこに込めている思いに嘘はないけど、なんか大げさになってしまう…
なので長くはなるけど、ときどきここに書くことにする
おもしろかった〜、でいいんだけどね、本当はね
SWINGIN’ DRAGON & TIGER BOOGIE(1)(2)
表紙がかわいかったのでちょっと調べてみたら、昭和の日本を舞台にしたジャズ漫画ということで即買い
ちょうど2巻出たばっかり! 面白かった〜続きが楽しみ
戦後間もない日本の、泥臭いけどエネルギッシュな空気の中で奏でられるジャズ…
灰田高鴻さんの漫画を初めて読んだけど、絵のディティールが、当時の日本の空気感や雑味をかきたてていて良いな
コマの中にいっぱい人物が描かれていたり、荒っぽく打ち付けられたベニヤの木目が細かく描き込まれていたり、白い壁もただ白くはない、人々の生活が染み付いて少し汚れている感じ
人物には、なんかちょっとエロティックさや生命力を感じる
主人公の於菟ちゃんは一見してフワフワした感じの女の子ながら、一人称は「ぼく」で、言葉遣いも荒々しくてイイ…
じゃが芋どもめ!!すり潰してやるッ!!(お気に入りのセリフ)
於菟ちゃんの歌声を聴いてみたい…どんな感じなんだろう
ちなみに「於菟」といえば森鴎外の息子の森於菟だけど、於菟という名前には「虎」という意味があるらしい
不器用で無愛想で顔の良い眼鏡キャラもおるでよ〜
顔の良いクールな男が、振り回されたり感情が高ぶったり苦悩したりする漫画は最高
あとSpotifyでプレイリストが公開されていた
「作品に登場した楽曲や、当時の街角で流れていたであろうジャズの名曲をセレクト」とのことで、流しながら漫画を読むと良さげ
これを聴きつつ、最近レコードプレーヤーを買おうかな…とずっと迷っているので、この漫画を読んで欲しさが加速してしまった〜
風太郎不戦日記(2)
しばらくTwitterを見ていなかったので発売してたの知らなかった、10月に出てた
「SWINGIN’ DRAGON〜」は戦後の日本が舞台だけど、こっちは山田風太郎がつづった戦中の日記を勝田文先生が漫画化したもの
この2巻では敗戦までが描かれていて、「この世界の片隅に」の時系列も同時並行で思い起こしながら読んだ
焼夷弾が降り注いでいる中にも、すべて焼き尽くされて一面焼け野原でも、なんだかしょーもない笑いや意地があったりして、すごく人間くさい
そして今日の日本もまだ戦後なのだな…と思うところがしばしば
にしても、原作と引き合わせながら読んではいないけど、勝田さんの絵、漫画表現、すごく良いなあ
もともと面白い文章を漫画という別の形で表現して、その漫画でしか成し得ない良さが詰まっている〜…
そもそも見せるつもりで書いてない、一見淡々とした文章、でもそこに込められている(というか湧き出して止まらない)感情を汲み取って、漫画に昇華するセンスがすごい
それでいて線が細くてシンプルで、デフォルメもきかせたりするから、生々しすぎない絶妙なバランスもあったりする
なんか抽象的な物言いばかりになってしまうけど、とにかくコマ割り、絵がいい
特に、終戦前後の描写がとてもよかった…!
これもへんな言い方だけど、いろんな漫画を読んでいると「漫画はかならずしも絵だけじゃないなあ…」と思うときと「漫画はやっぱり…絵だ!!」と思うときがある
私にとってはどっちも本当で、どんな漫画も面白ければ「面白い」なんだけど
やっぱり、良い!!と思う絵にはこちらの手首を掴んでグイグイ引っ張るような力強さがある
勝田さんの絵は、線も華奢でとても可愛らしい絵でありながら、絵に力がある方だ…といつも思う
力は力でも、魅力ってやつですね…
消えた初恋(4)
ああ〜っ…青木くん本っ当可愛い……なんていじらしいんだ…
この漫画は、見かけの可愛さだけじゃなくて「なんだ…可愛いやつだなあ、コイツ…」というキャラが多くて悶える
青木&井田、橋本さん&あっくんの恋模様がそれぞれ違うペースで展開していくさまにニッコリ
橋本さんいいキャラしてて応援したくなるよ…
名前呼ばれたときとか…表情といい反応といい、めちゃくちゃ恋している感じが可愛い
確かに学生時代って「はしもっつぁん」みたいなあだ名がついてしまって、そのあだ名にふさわしい振る舞いをしようとか、道化に徹しよう…とか思ってしまうことってある気がする
そしてあっくん、こりゃかっこいいわ…好きになっちゃうわ…という、橋本さんの気持ちがすごくよく分かるアングルで描かれている…
ただひたすらに、他人というままならない存在を好きになってしまったがために戸惑ったりアワアワするさまを描いた漫画は最高だね…
すでにとても有名だけど、ここで試し読みできます
ベルリンうわの空 ウンターグルンド(2)
なんだかここ数年、自分も周囲の人も、些細なことに苛立ったり、他人に対して無意味に攻撃的、狭量になっているな…と実感することが多くて、それが嫌で、そういうのをどうしたらいいのかなってずっと思ってる
本当はもっと機嫌よく生きたいし、困ったり疲れてる人は労いたいし、できるだけいろんなことをよくしていきたい
「でもみんなそれぞれ生きていくだけで大変で、他人を思いやる余裕なんかないんだよ」
「自分は自分、他人は他人」「他人に迷惑をかけることだけはするな」
…うーん、いや…そうなのかもしれないけど……
いや、本当にそれだけなのか? それはちょっとさみしくない…?
そういう煩悶
でも実際自分も余裕が無いと、妙にイラついたり、自分が望むやり方を周りの人に強要してしまったりするときもある
香山さんのベルリンでの生活は、自分たちなりに思いを形にすることで、少しずつ毎日をちょっとよくしていけるかもしれない、そういう可能性に気づかせてくれる
香山さんは友人たちと一緒になって、地下街のとある空間に公共スペースを作っていくんだけど(虚実織り交ぜたフィクションだそうですが)、こういうのあったらいいね、困っている人や必要な人が使ってくれるかもね〜、なんでもないおしゃべりができる場所になるかもね…っていうポジティブな願いを、具体的なアイデアに落とし込んで試行錯誤していく
そのあれこれアイデアを出し合って空間を(自分たちの生活を)ビルドしていく様子がとてもみずみずしくて…
でも本人たちにとって無理なことはしてなくて、素敵だ
こういう試行錯誤ができる、そういう余白のある社会って、それだけで成熟度が高いなと思う
で、これは日本でも、自分たちにもできるのかな
ベルリンだからできる、ベルリンが特別だから可能、ベルリンがすごい、ということを描いているんじゃないんだよな
でもやっぱり、こういう感じ、日本ではあまり見かけないな…という観点がいっぱいあったりする
読んでいて、何かを少しずつ変えていけるかもっていう勇気がもらえるし、心が潤うような感じがする、そんな漫画
ここで1巻が試し読みできます
あと香山さんの漫画のキャラクターの造形はとっても不思議でかわいい
なんでこんなデザイン思いつくんだろ?!って思う
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ウッ…ここまでで4冊しか触れられてないのか…
まだまだあるのでそのうちまた書きます
あとチェンソーマン未読なので読みたい
終わっちゃうよ〜
ところで、書影を借りたいだけなんだけど、Amazonてアフィリエイトやってないと埋め込めないのかな〜??
webで追ってたり電子書籍で読む漫画も多いし…でもパッと見なんの漫画かわかるように表紙は入れておきたいし…
(私はほぼ、自分が後で読み返すために日記を書いています…)