シャニマス日記
浅倉透さんのGRADをプレイした
心が震えた…
シャニマスのコミュは本当にどれも好きで、一番なんてとても決めにくいんだけど、アイドル個人のシナリオでは一番好きかもしれない
浅倉透さんは、自分で何かを選んで、それを頑張りたいんだな
透さんのコミュは結構モノローグ的というか、短くて感覚的な言葉を散りばめた内面描写が多いので、これまで透さんの像がつかみにくかったんだけど、今回シャニPがわかりやすく言葉にまとめてくれて助かった
劇中に出てきた「委員長」みたいに、何かを頑張っている人ってそれだけで眩しいし、それが出来ていない自分にとっては密かなコンプレックスになる
透さん自身は、自分って別に何もやれていないよな、頑張っている実感なんてない、息してるだけだよ、っていう感じなのに、みんなからは「すごいね」「オーラがある」「全部持ってっちゃう」なんて言われて、それが「浅倉透」だと思われる
こういう立場になったことは無いけど、それってとても孤独だよな
自分はただ普通に生きているだけなのに、はなから「あなたってすごいよね」っていう位置から接される孤独
シャニマスではそこまで悪意のある存在は描かれてなかったけど、人によっては勝手に嫉妬してきたり、あることないこと言ってきたりするのかもしれない
自己評価と他者からの評価の話だ
物語ではよく、美形は中身を見てもらえない、外見の印象が本質だと思われがち、というテーマがあるけど、今回はある意味その当人である浅倉透さんが、ただ普通のひとりの人間として何をどう感じていて、自分の未来や生き方にどう折り合いをつけて頑張っていくか、ということがとても丁寧に描かれていた
対比となる委員長の存在と、「浅倉透」という透明感のある名前、またそれと対比して、潟の泥に生命があるといういくつにもはりめぐらされた伏線や暗喩がものすごく良く出来ていた

浅倉さん自身は、生態系の中の「ミジンコ」みたいに、ちゃんと生きて、誰かの生命をつなぐために食べられて、そういう存在になりたいって思ってて
でもやっぱり周囲は「浅倉透」を、オーラがあって、可愛い、すごい、全部を食ってしまう「捕食者」として見る
でもそのズレも、「浅倉透」がどう見られようと、もういいやっていうラストが爽やかだった
他者からの評価=いいねの♡(ハート)と、透さんがアイドル活動を頑張って得たドキドキ(心臓の鼓動)との比較、そしてそれが泥の中の小さな小さなミジンコの心臓の動きのイメージと重なるラスト、なんだか泣いてしまった
シャニマスは、この丁寧で真摯なストーリーテリングにも心を打たれてどうにも涙が出る…
…もう本当、何? シャニマス〜…

だからこそ
「UNTITLED」で描かれていた、浅倉透を特別視しないことでこの孤独な幼馴染と一緒にいようとする樋口円香さんに、浅倉さんはずっと救われているんだろうな
そして樋口さん自身は、必死になんてなりたくない、自分が何かを頑張っているなんて思いたくない人だから、浅倉さんに何故アイドルなんてやり始めたのか(なんで頑張ろうとなんかしてるのか)を聞けないんだな…
だって幼馴染で、自分が一番わかっていると思ってた相手が、自分が恐れていることをやろうとしてるんだもんね
…うああ〜〜〜 ここの、この二人の関係…
そして、雛菜さんは「辛くて大変じゃないと、頑張ったことにはならないの~?」 というセリフに代表されるように、自分の価値基準で精一杯頑張っているのに周りにはそう受け止められない人だし、小糸さんは自分はもっともっと頑張らなきゃ!って思ってる人だし
ううう、ノクチル〜〜〜…!

私は今まで浅倉透さんのことを、顔がめちゃくちゃ良い、でも何を考えているのかわからないフワフワした人だな〜と思ってたけど、ある意味その印象がそのまま、劇中の浅倉透を取り巻くモブの印象でもあって
私はプロデューサーでありながら、浅倉透を取り巻くモブとしてのあるあるな印象しか持てていなかったんだな…と気持ちの悪い反省をした
アイドル活動に対してあんまやる気ないのかなとも思ってたけど、そうではなかったんだなあ
今回の浅倉透さんのGRADがすごく良かったので、ちゃんと見てなかったサポートSR「かっとばし党の逆襲」と「faaaar」のコミュを見てみた
で、今思うとどちらのコミュもちゃんと、GRADの伏線になっていた
運営、丁寧オブ丁寧かよ…
「かっとばし党の逆襲」は、ポーズじゃなく何かをちゃんと頑張りたい透さんのことが明確に描かれていたし、「faaaar」は透さんの孤独と、それをノクチルのメンバーがどのように(そうとは知らずに)支えているのかが描かれてると思った
透さんの限定pSSR「途方も無い午後」を私は持っていないので、うぎぎぃ〜!ってなってる
み、見たい…限定カードにそのアイドルの根幹に関わるエピソードを詰めるのやめてくれ〜

 

なんか勢いにまかせてひとしきり感想書いたけども、余韻がすごくてぽかんとしている
おいシャニマスよ…
こちとらこないだ、オーラも才能もなくて平凡、なんて称されて、それでもアイドルになりたくて、でも自分を出したら受け入れてもらえるはずないって思いながら好きなアイドルを完コピしないと!って頑張る七草にちかさんをプロデュースしたばかりなんだぞ…?
おい、この二人が同じ事務所だと…?泣

 

 

他社による評価と自己評価とのズレの話
NHKのプロフェッショナルの流儀で観た、本木雅弘さんの回とも少し通じるような気がした
綺麗な顔だね、すごいですね、売れてます、上手くやれてますよ、大丈夫ですよ
って言われても、当の本人は全然そう思えてないという
もともと備わっているものを本人の思考の外で評価されているだけだから、実感が伴わない
樹木希林さんや内田裕也さんのような「この人の方がもっとすごい」と思う存在が身近にいたりして、自分は本物じゃない、というコンプレックスを感じている
だから本人は本人なりにもがいて、模索して、頑張っていくしかないんだよな
そしてそれは外見や才能なんて関係なくきっと誰でもそうで、違う形で孤独を抱えているんだよな

あと、映画の「桐島、部活やめるってよ」を少し思い出した
桐島〜のアプローチはシャニマスよりもちょいエグい
イケてるスクールカーストに属してて彼女もいて、そこそこなんでもできるけど空虚を抱えている東出昌大さんと、カースト下位グループにいるんだけど、映画(特にゾンビ映画)が好きで、映画制作に夢中な神木隆之介さんの役
東出さん(の役)が、映画を撮る神木さんに、将来は映画監督?って聞いたら神木さんが「いやいやいや、なれるわけないじゃん」て答えるのが良いんだよな〜
東出さんが驚いて、えっ映画監督になりたいから頑張ってるんじゃないんだ?って聞くと、そりゃなれたらいいけど…ただ好きで楽しいからやってるだけだよ、って言われてめちゃくちゃショックを受けるんだよな…
何者かになりたい・なるためにやっているんじゃなくて、ただそれが好きだから、やらずにいられないからやる、頑張る、という人がいるという事実に打ちのめされる…
他にも同じ野球部で、才能がないのに野球に打ち込んでいてドラフト指名されるのを待っているという先輩がいて、眩しすぎて野球部に行かなくなる(でも先輩は毎日のように誘いに来る)という…
エグいけどとても好きな映画

我が身を振り返ると
学生の頃、すごく綺麗で周囲からちょっと浮いてさえいる透さんのような存在感の人に、まるっきり「すごいよね」みたいな形で接してしまっていたな
あっちは普通に話しかけてくれてるのに、勝手に「あ、私なんかに話しかけてくれてありがとう…でも私なんかがすみません」っていう、
それは私自身の自信のなさの裏返しからくるものだったんだけどフラットに接するということがどうしてもできなくて、できたらいいのにな、っていつも思っていたな
こういう心の機微は、漫画の「スキップとローファー」でも少し描かれているな
繊細な心の機微を描いてくれるクリエイターのみなさん、最高だ

 

…本当に長い!
次は樋口円香さんのGRADをやるつもりなんだけど、私はどうなってしまうんだ